PR

中国のインターネット事情まとめ

スポンサーリンク
スポンサーリンク

中国インターネット事情

最近、仕事の関係で中国独特のインターネット事情に触れる機会が増えました。

中国のウェブサービスを使って何かを始める場合、中国語という言葉の壁だけでなく、中国インターネット特有の制約や事情がたくさんあるので、いろいろお勉強しないといけません。

例えば、GoogleやFacebook、Twitter、Youtubeなどのメジャーなウェブサービスは中国では使えません。日本から中国からアクセスできないサイトもたくさんあります。

また、中国で独自に進化したアプリやウェブサービスも多く、アメリカの大手IT企業を指すGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に対して、BATH(百度、アリババ、テンセント、ファーウェイ)と呼ばれる中国の巨大IT企業が様々なサービスを展開しています。

ネット通販も活発で、アリババやJD.comなどの大手通販サイトは、中国国内だけで世界大手に匹敵する売上高があります。

さらに、BATH以外の新興企業も続々と登場しており、最近はTMD(バイトダンス、美団点評、滴滴出行)や、PKQ(拼多多、快手、趣頭条)といった企業群が注目されています。

中国独特のインターネットとウェブサービス事情を人に説明するのはなかなか難しいのですが、自分なりに解釈して簡単に理解できるようにまとめてみました。

スポンサーリンク

中国インターネット事情

中国インターネット情報センター(中国互聯網絡信息中心、CNNIC)によると、2018年6月現在の中国インターネットユーザー数は8億200万人もいるそうです。

そのうち、モバイルやスマホからのアクセスは7億8800万人で、モバイルからの接続が98.3%に達したとのこと。中国ではPCよりモバイルからのアクセスの方が多く、その数も猛烈な勢いで増えています。

アメリカなどの先進国ではインターネット普及率が70%を超えており、中国も57.7%と年々先進国並みの数値に近づいています。しかし、農村部や中小都市になると普及率は下がり、やはり都市部との格差は大きいようです。

また、中国のインターネット事情は独特で、言葉の壁以外にもいろいろな制約があるほか、FacebookやTwitter、youtubeなどのメジャーなウェブサービスが使えないので、中国独自のウェブサービスが発達しています。

皆さんもアリババ(阿里巴巴)やBaidu(百度)、WeChat(微信)、Youku(优酷)、weibo(微博)、QQなんて言葉を聞いたことがあると思います。

ネット通販も活発で、アリババが運営する天猫(Tmall)や京東(JD.com)、拼多多(pinduoduo)などの大手通販サイトは、中国国内だけで世界大手に匹敵する売上高があります。

オンライン決済サービスも発達しており、スマホやQRコードで支払いができるアリババのAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)は、中国モバイル決済市場の2強です。

他にも人気急上昇中の動画サイト、TikTokのバイトダンス(北京字節跳動科技)や、中国版UBERの滴滴出行なんかも有名ですね。

中国インターネット事情を知らない人には馴染みのない名前ばかりですが、どれも言葉は違えど、インターネット上のウェブサービスであることに変わりはなく、仕組みや使い方はメジャーなサービスとそんなに変わりません。でも、中国語がわからないと使うのは大変でしょうかねぇ。

インターネット検閲「金盾」グレートファイアーウォール

中国 万里の長城 グレートファイアーウォール

中国ではインターネットに対する検閲が行われており、数万人規模のサイバーポリスがインターネット上の不都合な情報などを監視したり、やらせ書き込みによる世論誘導を行っています。

これは中国国内だけでなく海外サイトも同様で、他国のサイトで不都合な情報が掲載された場合、中国国内からのアクセスが遮断されます。

このシステムは「金盾」と名付けられ、万里の長城をもじって「グレートファイアーウォール」と呼ばれています。ネット上の不都合な情報は、ネット版万里の長城で侵入を防ぐということです。

ウェブサイトだけでなく、SNSやチャット、メッセージも監視の対象とされ、政府に不都合な批判が現れると、通常は数分で削除されます。

1989年の天安門事件や2019年の香港民主化デモに関する情報も厳しい検閲の対象となり、中国共産党のネット工作員「五毛党」が、SNS上でやらせ書き込みや世論操作を行っていると言われています。

このような検閲や監視は、中国ウェブサービスだからこそ可能なことで、FacebookやTwitter上でこんなことはできません。

スポンサーリンク

FacebookやTwitter、youtubeは使えない

中国からブロックされているウェブサービスやサイトは結構あります。世界で一般的に使われているFacebookやTwitterなどのSNS・youtubeなどの動画サイトは、基本的に中国からアクセスできないと考えてください。もちろん、抜け穴はありますが、そんなことができるのはウェブに詳しい一部の限られた人だけです。

その代わりに著名サービスとほぼ同一の中華ガラパゴス的ウェブサービスが発達しています。

たとえば、中国で検索エンジンと言えば「Google」や「Yahoo」ではなく、百度(Baidu)のほうがメジャーです。動画も「youtube」ではなく、Youku(优酷)なのです。

また、アリババや京東(JD.com)などの大手通販サイトは、中国国内だけで世界大手に匹敵する売上高があります。中国の通販といえば、淘宝(taobao)・天猫(t-mall)なんかも有名ですね。

他にも中国ならではのウェブサービスがたくさんあって、独自の進化を遂げています。でも、全部パクリサイトのように見えてしまうのは気のせいでしょうか・・・(^^;

中国からアクセスできないサイト

中国からアクセスできないサイトのうち、主だったものを挙げてみました。これらは中国国内からブロックされているため利用することができません。メジャーなウェブサービスはほぼアウトですね。

理由は中国側で情報統制ができないからでしょう。都合の悪い情報はソーシャル上ですぐ拡散するので、元から使えなくしてしまえということです。

下の4つは主に日本中心です。これ以外にもアクセスできないサイトはたくさんあります。

● Facebook
● Google+
● Twitter
● Youtube
● Ustream
● LINE
● FC2
● アメーバブログ
● ニコニコ動画

中国からアクセスできるかどうかは「Blocked in China」で確認できます。使い方ですが、確認したいドメインを入れて「Test」を押すだけです。

Test if Any Site is Blocked in China and Learn How to Access it
Test any site to see if it has been blocked by the Great Firewall. See how to unblock and access sites in China by using...

とりあえずGoogleを調べてみましたが、なぜか「google.com」はOKなのに、「google.co.jp」はダメでした。反中ネタが多いからでしょうかねぇ。時期によっては通ることもあるようです。

スポンサーリンク

LINEよりも進んだメッセンジャーアプリ WeChat(微信)

微信 WeChat ロゴ

中国にはLINEよりも進んだメッセンジャーアプリ、WeChat(微信)があります。

WeChat(微信)は、日本ではあまりなじみのないメッセンジャーアプリですが、中国に友だちや知り合いがいる方は、大抵WeChatを使っているはずです。

日本で言うとLINEみたいなものですが、実際に使ってみるとLINEよりはるかに進んでいる部分もあって、「中華インターネット侮れず」と思うこともしばしばです。例えば動くスタンプなんかはWeChatの方が断然早かったですしね。

音楽や動画のやりとりも簡単なのですが、この辺の著作権無視っぽい所は良くも悪くも中国ですなぁ。他にもタクシー呼出アプリや割引クーポンサイトとの提携、電子マネーなど、タダのメッセンジャーアプリとは思えないほど多機能化が進んでいます。

お正月(春節)のお楽しみ、お年玉のやりとりもWeChat(微信)で出来てしまいます。電子マネーのお年玉はどうも風情に欠けるような気がしますけどね・・・

中国ソーシャルメディア雑記 : 電子お年玉(紅包)利用ユーザーが増加 QQでは6.71億、WeChatでは10.1億件のやり取りを記録

また、WechatにはWeChat Pay(微信支付)というオンライン決済サービス機能もあり、中国ではAlipayと並んでメジャーな支払い方法として普及しています。

ちなみに、「天猫(Tモール)」や「淘宝網(タオバオ)」などのネットショップでは、顧客対応はチャットやインスタントメッセージで行われています。日本では電話やメールが一般的ですが、こちらも手軽といえば手軽な方法ですね。

中国のウェブサービス

最後に中国でメジャーなウェブサービスをいくつか紹介します。

Baidu(百度)

baidu 百度

類似サービス : Google、Yahoo!
中国最大の検索エンジンで、中国国内ではGoogleを抑え、圧倒的なシェアを誇ります。全世界の検索エンジンシェアではGoogleに次ぐ第2位となっています。

子会社に中国版ネットフリックスと呼ばれる動画ストリーミングサイト「愛奇芸(iQIYI)」があり、近年は検索以外の成長戦略として「AI」「自動運転」「クラウド」に力を入れていますが、収益化には至っていません。

また、スマホ対応に出遅れたため収益や時価総額が伸び悩み、中国ネット企業3強のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)から脱落したと言われています。

WeChat(微信)

微信 WeChat ロゴ

類似サービス : LINE、Facebookメッセンジャー
インターネット通信大手の騰訊(Tencent)が運営するメッセンジャー。月間アクティブユーザ数は5億人(2014年第4四半期)で、中国だけでなく海外でも利用されています。

微信WeChatの使い方
微信(wechat)は中国のテンセント(腾讯控股)が運営しているインスタントメッセンジャーで、文字・音声・写真・動画・表情などを友達との間でやりとりすることができます。また、中国ではWeChatを利用した決済サービスも始まるなど、多機能化が進んでいます。

テンセントは世界最大のゲーム企業でもあり、大ヒットしたモバイルMOBAゲーム「王者栄耀」や、League of Legends、フォートナイトなどが有名です。

人人網

renren.com 人人網

類似サービス : Facebok
Facebookと同様にウォール上に写真やコメントを掲載して、友人同士でシェアするサービスです。ユーザー数は2億5700万人(2014年前半期)

Youku(优酷)

youku 优酷

類似サービス : Youtube、ニコニコ動画
中国最大のビデオストリーミングサイトです。調査によると、中国では75%の人がテレビよりウェブ動画を好むとされています。wifiが発達しているので、町中でもスマホで動画を見るのは簡単ですよ。視聴者は4億5000万人、毎月の視聴時間57億時間(2014年)

タイトルとURLをコピーしました