WordPressのリビジョン削除や保存数の管理、データベースの最適化までしてくれるリビジョン管理プラグイン「Optimize Database after Deleting Revisions」をご紹介します。
※ Optimize Database after Deleting Revisionsの設定と使い方は、2024年の最新バージョンをもとに解説しています。
WordPressには過去の下書きを保存するリビジョンという機能がありますが、記事を下書き保存するたびにリビジョンが蓄積され、定期的に削除しないと表示速度が落ちてしまいます。
肥大化したデータベースをそのまま放置すると、SEOにも影響します。WordPressサイトを運用するなら、定期的にリビジョンやデータベースのお掃除が必要です。
リビジョンの設定はwp-config.phpに追記したり、プラグインを使う方法がありますが、Optimize Database after Deleting Revisionsを使うと、リビジョン削除やリビジョン保存数の管理、データベース最適化まで1つのプラグインでできるようになります。
WordPress リビジョン機能
WordPressのリビジョンは、投稿や固定ページの編集中に記事を自動保存してくれる機能です。
リビジョンがあると、何かあった時に古いリビジョンから過去の記事を復元することができるので、記事の間違いや修正で前の状態に戻したい時に便利です。
ただし、リビジョンは時々削除しないと溜まっていく一方なので、記事が増えると過去のリビジョンがどんどん増えていきます。
WordPressのテンプレートによっては、トップページを更新するたびにリビジョンが増えていくので、気が付けばリビジョンが100を超えていたなんてことも珍しくありません。
また、古いリビジョンはデータベースの容量を圧迫するので、サイトの表示速度が落ちてしまいます。Googleは表示速度も検索結果に反映させると明言しているので、検索順位にも影響します。
WordPressを長期で運用するなら、定期的にリビジョン削除やデータベースのお掃除が必要です。
プラグインでリビジョンとデータベースを最適化
このブログのリビジョンは、今までwp-config.phpから設定していました。テーマファイルに数行追記するだけで済むので、プラグインをあまり増やしたくない場合は有効な方法です。
でも、このやり方だと途中から設定した場合、それ以前の古いリビジョンが消えずに残ってしまうという問題があります。
リビジョン管理のプラグインを探したところ、WordPressのリビジョン削除と保存数の削減、データベースまで最適化してくれるOptimize Database after Deleting Revisionsを見つけました。
Optimize Database after Deleting Revisionsを使うと、以下の3つのプラグインを1つにまとめることができます。
- 古いリビジョンを削除: Better Delete Revision
- リビジョン保存数削減: Revision Control
- データベース最適化: WP-Optimize
海外製(オランダ)のプラグインなので説明は一部英語ですが、設定はとても簡単、リビジョンの削除、データベースも定期的に最適化してくれるすばらしいプラグインです。
プラグインの評価も高く、星4.7となっています。
Optimize Database after Deleting Revisionsのインストール
では、さっそくOptimize Database after Deleting Revisionsを使ってみましょう。まずはプラグインのインストールから。
※ 使用前に必ずデータベースをバックアップしてください。また、他のリビジョン削除プラグインなどをお使いの場合は、プラグインのバッティングや不具合に注意してください。
ダッシュボード左メニューの「プラグイン」→「新規追加」へ進み、「Optimize Database after Deleting Revisions」と入力して「プラグインを検索」をクリックします。
「Optimize Database after Deleting Revisions」が見つかったら「いますぐインストール」をクリックして、プラグインを有効化してください。これで準備は完了です。
Optimize Database after Deleting Revisionsの設定
続いて、Optimize Database after Deleting Revisionsの設定です。リビジョン削除やデータベース最適化の設定はそれほど難しくはないです。
ダッシュボード左メニューの「設定」または「ツール」→「データベース最適化」に進むと、Optimize Database after Deleting Revisionsの設定画面になります。
では、Optimize Database after Deleting Revisionsの設定に移りましょう。下に設定やログ表示、分析、最適化のボタンが並んでいます。「設定を変更する」から設定を行います。
リビジョン削除設定
まずは削除するリビジョンを設定しましょう。投稿「Post」、固定ページ「Page」の他にいくつか投稿タイプが並んでいますが、すべてチェックしておけばOKです。
リビジョン保存設定
その下にリビジョンの保存設定があります。どちらかにチェックして数値を入れると、設定した日数または記事数を超えたリビジョンが自動的に削除されます。
Delete revisions older than
リビジョンの保存日数を設定します。入力した日数を超えたものは削除されます。
Maximum number of – most recent – revisions to keep per post / page
リビジョン管理数の上限を設定します。「0」にするとリビジョン全削除になります。ここではリビジョン保存数の上限を5にしました。
データベース削除項目設定
データベースからリビジョン以外のデータを削除したり、データベースを最適化するための設定項目もあります。デフォルトの状態でOKですが、お好みで設定してください。
WordPressの専門知識が必要な項目もあるので、わからない場合はそのままで使いましょう。
ゴミ箱を空にする
「ゴミ箱」に入れた記事やページを削除します。
スパムの項目を削除
エディターやAkismet等のプラグインによって「スパム」判定された記事を削除します。
使用されていないタグを削除
使用されていないタグを削除します。
Delete transients
データベースに保存されたWordPressのキャッシュデータを削除します。選択肢は3つありますが、特に支障なければ「DELETE EXPIRED TRANSIENTS」にしておけばよいでしょう。
ピンバックとトラックバックを削除
ピンバックとトラックバックを削除します。
Clear oEmbed cache
ウェブサイトやYoutubeなどのURL埋め込みキャッシュをクリアします。
Clear orphans
WordPress内で孤立した投稿レコードを削除します。「orphans」とは孤児のことで、WordPress内部で他の投稿やページからリンクが取得できない投稿を「orphaned content」と呼びます。
Optimize InnoDB tables too
データベースでInnoDBテーブルを利用している場合に最適化します。InnoDBとはMySQLで利用するテーブルの種類で、他にMyISAMテーブルもあります。
ログを保存
ログデータを保存します。
データベース最適化のスケジュール
データベース最適化のスケジュールと時刻を設定します。管理画面にリンクかアイコンを表示させる場合も、ここでチェックを入れます。
定期的に実行
リビジョン削除とデータベース最適化のスケジュールを指定します。間隔は「指定なし」「1時間ごと」「1日2回」「毎日」「毎週」「毎月」の6種を指定できます。
時刻
スケジュールの実行時間を指定します。アクセスの少ない夜中がおすすめです。
管理バーに「1クリック」リンクを表示
アドミンバーに「DB最適化(1クリック)」リンクを表示させます。
管理メニューにアイコンを表示
ダッシュボードのメニューに「データベース最適化」アイコンを表示します。
最後に「設定を保存」をクリックして設定を保存してください。
データベース最適化から除外
一番下にある「EXCLUDE DATABASE TABLES FROM OPTIMIZATION」の各テーブルにチェックを入れると、データベース最適化の際にその項目が除外されます。
ここもWordPressの専門知識が必要なので、わからない場合はそのままにしておきましょう。
Optimize Database after Deleting Revisionsの使い方
では、実際にリビジョンやデータベースを最適化してみましょう。各種設定が終わったら「保存」して、その右にある「最適化ページに戻る」をクリックします。
データベース分析(Analyze)
Optimize Database after Deleting Revisionsには、データベースを分析する「Analyze」と、データベースを最適化する「Optimize」ボタンがあります。
最適化の前に「Analyze」で分析してみましょう。分析ボタンは2つあり「Analyze(Summary)」はデータベース分析結果の概要を表示します。
削除対象のリビジョンは11、TRANSIENTSは1、ORPHANSは1でした。
「Analyze(detail)」はデータベース分析結果の詳細まで表示してくれます。
データベース最適化(Optimize)
データベース分析が終わったら、その下にデータベース最適化ボタンが表示されるので、「Optimize(Summary)」をクリックします。
データベース最適化の結果が表示されました。最適化前のデータベースは72.776MBですが、最適化後は70.999MBとなりました。データベースのサイズが1.777MB減っていますね。
「今回の確保サイズ」が最適化によって減少したデータ容量です。
「Optimize(detail)」を選ぶと、最適化されたデータベースのテーブルなど、より詳しい最適化の詳細が表示されます。
「View Log」で過去のデータベース最適化実行ログが表示されます。定期的にデータベース最適化を行う場合は、ログをチェックしてください。
あと、データベースの分析や最適化される項目は、設定によって異なるのでご注意を。
これで余計なリビジョンが減り、定期的にデータベースを最適化してくれるので、必要以上にデータベースのサイズが大きくなることはありません。
WordPress リビジョンの管理と削除
wp-config.phpの設定によるリビジョン管理
WordPressのリビジョンは、テーマファイル wp-config.php に追記することで設定できます。また、リビジョン管理機能自体を無効にすることもできます。
リビジョン管理数の上限を決める(10回)
define('WP_POST_REVISIONS', 10);
自動保存の間隔を変更する(300秒/5分毎)
define('AUTOSAVE_INTERVAL', 300 );
リビジョン管理を無効にする
define('WP_POST_REVISIONS', false);
プラグインによるリビジョン管理
WordPressにはリビジョン管理用のプラグインがたくさんあります。簡単に設定できて多機能なプラグインばかりなので、リビジョン削除はwp-config.phpに追記する方法よりプラグインを使うという方も多いでしょう。
古いリビジョンを削除するならBetter Delete Revision、リビジョンの上限設定ならRevision Control辺りが定番でしょうか。
キャッシュプラグインによるリビジョン管理
キャッシュプラグインの中には、リビジョンの最大数や保存日数を管理できるものがあります。
ロリポップやmixhost、カラフルボックスなどで使えるキャッシュプラグイン「LiteSpeed Cache」は、「データベース」からリビジョンやデータベースを最適化できます。
WordPressでサイトを運営していると、データベースがどんどん肥大化していきます。そのまま放置すると、サイトの表示速度が遅くなるのでSEOにも影響します。
リビジョン削除とデータベースを適正化するなら、ぜひOptimize Database after Deleting Revisionsを使ってみてください。