映像の雑学「綺麗な映像」とは何か? No.2

映像の雑学「綺麗な映像」とは何か

「綺麗な映像」とは何か?という漠然と気になる部分を、身近な「映像メディア」を通して考察していくコラム「映像の雑学」、今回で何とか第2回目となります。

1回目はこちらです 映像の雑学「綺麗な映像」とは何か?

初回となる前回はHD(ハイビジョン/ハイディフィニション)と4K、モニターサイズや解像度、画素数を例に「綺麗な映像」とは何かについて考察させて頂きました。

今回は有機EL(4K/HD)テレビモニターを例に「色の鮮やかさ、表現方式」から「綺麗な映像」について考えていきます。

近年家電量販店のテレビモニター販売コーナーで見かけるようになった「有機EL」というコトバ。そもそもこの「有機EL」とはどんなものなのか、まずはそのご紹介です。

有機ELとは? 従来のモニターとの違い

有機エレクトロルミネッセンス(organic electro-luminescence)「有機EL」とは、[electro-luminescence]というコトバにあるように「有機物」による「電子発光」、「光」そのものの現象であり、「有機ELテレビモニター」や「有機ELモニター」はその「発光現象を利用したモニター画面」のことです。

「有機ELモニター」と従来の「液晶モニター」との大きな違いは「発色」「色の鮮やかさ」「黒色」の表現方式です。

従来型の液晶モニターは「色画像」を表現するのにバックライト方式といって「色を透かすためのライト」が必要でした。

懐中電灯を使って、色付きセロハンを透かし、赤や緑、青といった色付きの明かりを作る感じや、日光によって綺麗な彩りを表現するステンドグラスなどを想像してみてください。

従来の液晶モニターでも色の発色は十分綺麗なのですが、この方式の最大の弱点は「黒色」の表現になります。

例えば、液晶テレビモニターで部屋の明かりを暗くして鑑賞したとき、映像の黒色、映画などの作品での暗い場面や夜の映像などが「完全な黒」ではなく薄っすらと、白っぽく映る、画面が「黒っぽい」けど「うっすら明るい」と感じたことはありませんか?

バックライト方式では光を常に視聴者側に向けて発光させる関係上、「黒色」を再現しようにも、どうしても「他の色表現用に使う光の影響」(光漏れ)を受けてしまい、完全100%の黒色を表現することが困難でした。

しかし、近年登場した「有機ELモニター」は「バックライトを必要としない自発発光方式」なので「光=色そのものが画像を表現」します。

ざっくり例えると電光掲示板のライト数が物凄い多い感じ(?)です(・・・ちょっと例えが悪いですね。)

つまり、画面に表示される1点、1点がちゃんとした発色、発光をしているので、黒色の部分は「完全に黒」(消灯状態)として表現されます。

液晶と有機ELの違い

有機ELモニターの何が良いの? 注目すべきは黒色の表現力

液晶モニター、有機ELモニター、
両者の特徴を表す例として擬似的な加工をした写真を例に解説します。

液晶と有機ELの違い

左:従来の液晶モニターイメージ
バックライトの影響で暗所が完全な黒色ではない。

右:有機ELモニターイメージ
バックライトの光の影響を受けないので暗所が完全な黒色。
        
あくまで疑似加工のため多少極端な例になりますが、左が従来の液晶モニターイメージ、右が有機ELモニターのイメージです。

従来の液晶モニターイメージの方は全体的にコントラストが薄く、メリハリに欠けるイメージかと思います。写真上の黒色部分も若干白っちゃけて見える印象です。

一方で有機ELモニターのイメージの方は黒色がはっきりしていてパリッとした印象かと思います。コントラストがしっかりしていて暗い部分から明るい部分の表現がきっちりとした適正表示となっています。

液晶と有機ELの違い

左:従来の液晶モニターイメージ
黒部分のコントラストが弱い。

右:有機ELモニターイメージ
黒部分のコントラスト強い。

バイクの画像ではバイクの影になっている部分の黒表現がわかりやすいかと思います。

黒の表現がしっかりしていることによって被写体の「カタチ」がしっかりと映し出され色味からも「艶やか」で「しっとり」とした「質感」を感じられるのではないでしょうか?

セカイは光と影と闇でできている?

「光あれ」とは聖書の有名なコトバですが、真っ暗闇では何も見えず、「色」も「カタチ」も視認することが出来ません。逆に光が強くアタリすぎては、物の「カタチ」をはっきりととらえることは難しいです。

セカイは「光」と「影」と「闇」の絶妙なバランスによって私たちの目に文字通り色々なものを見せてくれています。この「光」と「影」と「闇」ですが、「色」に置き換えて考えることができるのです。

「光」を「白」とした時、「影」は「中間色(グレー、灰色)」「闇」は「黒」と考えることができます。モノクロ写真がわかりやすい例です。

カラーとモノクロの違い

左:通常とされる色のある風景イメージ

右:「光」「影」「闇」を「白」「中間色」「黒」で考えたイメージ

通常の写真では光が最も強くあたっている空の雲部分が「白色」、空が「青色」、木々が「緑」で、ほかの影になっている部分にも若干の「色」を見てとれるかと思います。

一方モノクロ写真の方は、光が強くあっている部分は「白色」をしていて、光のあたっていない部分は「黒色」、それ以外は「中間色」である「灰色」です。

これを例にすると、私たちが普段見ている「色」は「白」から「黒」までの「中間色」ということが言えます。

「色」は「光」であり、「光」は「色」である

太陽の光は何色に見えるでしょうか? 時に白く、時に黄色く、時に赤く見えるかもしれません。また理科の実験でプリズムを使って光を分解し、「虹色」を見たという経験のある方も多いのではないでしょうか?

ご存知のとおり太陽光の「光」はその時々によって「色々な色」を表現しますが、その「光の三原色」は赤・緑・青のRGBと呼ばれるものです。

一般的にテレビモニターなどのモニターもこの「光の三原色」「RGB」によって再現されています。

有機ELモニターは「キレイ」なのか?

ここまでの解説から「では有機ELモニターはキレイなのか?」という命題が出てきます。

結論としては、「有機ELモニター」の発光、発色方式は光と色の関係から、「自然により近い色表現が可能なモニター」と言えることができ、「黒色の表現力」は従来の液晶モニターと比べて非常に正確です。

そのため全体のコントラストもしっかりと表現され、明暗の表現が最適な表示結果を得られる可能性があり、一般的に従来の液晶モニターよりも「キレイな映像が再現可能なモニター」と言えることができます。

これからテレビモニターの買い替えを検討されている方や手軽にキレイな映像を体験したいという方は前回と今回の紹介内容から「有機ELの4Kモニター」を考えてみてはいかがでしょうか?

次回のアプローチ 「DVD」「Blue-ray」「インターネット動画」

今回まで主に「テレビモニター」を例に「綺麗な映像」について考察してきました。

「モニター」はあくまで映像の「最終出力先」の一つです。次回はそんな映像の最終出力、パッケージ化の例として「DVD」「Blue-ray」「インターネット動画」を通して「綺麗な映像」とは何かについて考えていきたいと思います。

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