
有料サービスがなくても電子署名が使える! 無料のPDFビューワー「Acrobat Reader DC」の電子サイン機能を使うと、月2回まで無料でPDFに電子署名を追加することができます。
電子署名の依頼側で特別なソフトや有料サービスは必要ありません。Adobeアカウントを作成すれば、すべてAcrobat Reader DCの無料機能で電子署名が使えます。
また、依頼された方はクラウドで署名できるので、Acrobat Reader DCも不要です。スマホでも簡単に署名できます。
「年に何回か電子署名を使うけど、有料サービスを契約するのはもったいない」という方は、ぜひ無料ソフト Acrobat Reader DC の電子サインを使ってみてください。
この記事では、Acrobat Reader DCを使った電子署名のやり方をご紹介します。
月に2回以上電子署名を使う場合は、有料のAcrobat Signに移行しましょう。Acrobat Signの詳しい使い方は以下の記事をご覧ください。
参考記事 Adobe Acrobat Signの使い方と署名方法
Acrobat Reader DCの電子署名は月2回まで無料
ビジネス文書のペーパーレス化が進み、契約書や申請書、見積書などの書類をPDFでやり取りしたり、電子署名を使う機会が増えています。
Acrobat Reader DCには、PDFに手軽に電子サイン(電子署名の一種)を追加できる機能があり、月2回まで無料で、最大2件のPDF文書を署名用に送信できます。
毎日のように電子署名を使う場合は、有料の電子契約サービス「Acrobat Sign」が必要ですが、年に数回程度であれば、無料のAcrobat Reader DCでも十分に対応できます。
署名する契約書や文書はメールで送信・受信できるので、手間やコストを大幅に削減することができます。また、Acrobatと一緒に使えるので、PDF文書の加工や編集も可能です。
同じAdobeのサービスなので、月2回以上使う場合はAcrobat Signにアップグレードできます。以下の記事で、有料版 Adobe Acrobat Signの使い方や署名方法を紹介しています。
参照サイト Adobe Acrobat Signの使い方と署名方法
無料の電子署名をPDFに追加する
では、PDF文書に無料の電子署名を追加して、電子サインを依頼してみましょう。
まずはAcrobat Reader DCで署名したいPDF文書を開き、上のメニューから「電子サイン」をクリックします。

「電子サインを依頼」に進みます。

「この文書に電子サインする受信者を追加」に、送信先のメールアドレスを入力します。

続いてメールのタイトルと本文を入力して「署名場所を指定」をクリックします。タイトルと本文は変更可能で、送信先のCcを追加することもできます。

ここでAdobeアカウントにログインする必要があります。初めて利用する場合は、Adobeアカウントを作成してください。メールアドレスの他にGoogle・LINE・Appleでログインも可能です。

PDFに署名場所を指定する
ログインしたらPDF文書が再度開いて「受信者が入力または署名する必要がある場所をクリックします」と表示されるので、署名場所を指定します。

PDFの署名場所まで移動してクリックすると、フォームフィールドが追加されます。

初期状態はテキストフィールドなので「署名フィールド」に切り替えます。

右側の「・・・」から、以下のフィールドを設定することができます。フィールドを消すときは「Delete」キーか、「フィールドを削除」を選びます。
- 署名者の名前フィールド
- 署名日フィールド
- 署名者の電子メールフィールド
- チェックボックス

フィールドは複数設定することもできるので、必要に応じて追加してください。

電子サインの依頼メールを送る PDFを送信
PDFに署名を追加したら、電子サインを依頼しましょう。最後に「送信」をクリックして、電子サインの依頼メールを送ります。

Acrobat Reader DCに「署名用に送信されました」というメッセージが表示され、自分宛にも記録用のコピーが送信されます。あとは相手の署名を待ちましょう。

受信者が署名して文書が完成すると、PDFのコピーがすべての関係者に送信されます。
自分の署名を追加する
Acrobat Reader DCの電子署名は相手方だけでなく、自分の署名も追加できます。契約書などを作成するときは甲乙両方の印鑑やサインが必要なので、この機能は便利です。
署名は自筆のサイン画像や手書き文字、テキストの他に、イニシャルも追加できます。
まずはAcrobat Reader DCでPDF文書を開き、上のメニューから「電子サイン」をクリックします。

「自分で入力して署名」の下にある「署名を追加」をクリックします。

署名の入力欄が開きます。ここでは署名のスタイルを3種類から選ぶことができます。
- タイプ(名前や会社名のテキストで署名)
- 手書き(PCマウスやスマホで文字を手書きして署名)
- 画像(自筆画像や電子印鑑などの画像で署名)

タイプ(名前や会社名のテキストで署名)
タイプは名前や会社名のテキストを入力して、そのまま署名する方法です。文書上でテキスト化されるので、サインの画像や電子印鑑がなくても署名することができます。
テキストでもちゃんと電子署名として使えるし、簡単なのでスピード感のある処理が可能です。

手書き(PCマウスやスマホで文字を手書きして署名)
手書きはPCマウス等で文字を手書きして署名します。こちらも簡単で手軽ですが、文字がヘタクソに見えるのであまりおすすめできません。

画像(手書きサインや電子印鑑の画像で署名)
「画像」はあらかじめ手書きサイン画像を用意したり、電子印鑑を使う署名方法です。署名する機会が多ければ、事前に電子印鑑やサイン画像を用意しておくと便利です。
署名のスタイルが決まったら「適用」をクリックして、署名を登録してください。あとは登録済みの署名をクリックするだけで、文書上に自分の署名を追加できます。
手書きサインで署名

事前にスキャン、または撮影した自分の手書きサイン画像を選んで「適用」します。「署名を保存」にチェックを入れておきましょう。
電子印鑑で署名

電子印鑑を使うと、テキストや手書きの署名よりもそれらしく見えるのでおすすめです。文字が被らないように、画像形式は透過PNGで作成しましょう。
電子印鑑は本物の印鑑から画像を作成する方法と、ソフトやツールで印影を作成する方法があります。以下で無料の電子印鑑作成方法を紹介しています。
参照サイト 電子印鑑を無料で作成できるフリーソフトやサイト12選
依頼メールのPDFに署名する
電子サインの依頼メールが届いたら、署名して返信しましょう。署名はクラウド上で完結するので、Adobeアカウントや有料サービスは必要ありません。スマホでも署名できます。
メールの件名、もしくは「確認して署名」をクリックします。

Acrobat Signが開いて、署名するPDF文書が表示されました。左下の「続行」に進みます。左のオプションで署名の辞退や、他者に署名を委任、PDFをダウンロードして確認することもできます。

PDF文書の下に「1個の必須フィールドが未入力です」と表示されています。矢印「>」をクリックすると、該当の署名フィールドが表示されます。

フィールドをクリックすると、署名の入力フォームが表示されるので、以下の4種から選んで署名を入力します。入力したら「適用」をクリックしてください。
- キーボード
- 手書き
- 画像
- モバイル

署名を確認したら「送信」をクリックして、署名を完了させてください。

これで署名の対応が完了しました。署名したPDF文書はダウンロードして保存することができます。

Acrobat Reader DCの送信側(電子サインの依頼側)にも署名完了のメールが届きます。

「Acrobat Signアカウントで、文書を閲覧できます」とありますが、無料のAcrobat Reader DCでも署名済みのPDF文書を確認できます。
無料の電子署名はAcrobat Reader DCを使おう
以上、電子サインの依頼側と、依頼された側の両方で電子署名が完了しました。どちらも特別なソフトや有料サービスは必要ありません。無料のAcrobat Reader DCでも十分に対応できます。
「年に何回か電子署名を使うけど、有料サービスを契約するのはもったいない」という方は、ぜひAcrobat Reader DC の無料電子サインを使ってみてください。
月に2回以上電子署名を使う場合は、有料のAcrobat Signに移行しましょう。Acrobat Signの詳しい使い方は以下の記事をご覧ください。

