長文のテキスト入力には欠かせないクリップボード履歴管理フリーソフト「Clibor」をご紹介します。このソフトの目玉は、クリップボードにコピーしたものを履歴に残し、後から選択してペーストできるという機能です。
コピーした単語をストックして、ペーストする時に選択できるので、複数の長い単語を何度も入力するような場合にとても重宝します。また、設定できる項目が多く、自分の好みに合わせたカスタマイズも容易です。
一度Cliborの便利さを知ったら、もう手放せなくなりますよ。あと、Windows10にはCliborと同様の「クリップボードの履歴」という機能があるので、これも紹介します。
長文テキスト作成に便利 Clibor
WindowsやMacのクリップボードは、コピーした単語を一つしか保存できません。文中に複数の長い単語がある場合は、その都度入力するか、カーソルを移動させてコピペするかになるので、とても不便です。
一例として、こんな文章の作成を考えて下さい。(※名称は架空のものです)
この文章には長い名称の単語(色が付いている部分)が何度も登場するので、コピペをうまく使いながら文章を作りたいところですが、別の単語をコピーすると前の履歴が消えてしまうので、文の流れに合わせてコピペできません。
単語だけ抜いておいて後からコピペ入力するという手もありますが、あちこちカーソルを移動してコピペしながら作文するのはかえって不便です。
こんな時に重宝するのが、クリップボード履歴を残しながら選択してペーストできる「Clibor」です。
入力に時間がかかる長い単語でも、Cliborを起動させて一度コピーすれば、クリップボード履歴から呼び出してペーストするだけなので、入力時間を大幅に短縮することができます。
例文内にある「日本貿易情報センター(JTIC)」のように、全角と半角が混じった単語は特に入力が面倒ですが、これもコピーして履歴を呼び出すだけで入力できます。
Clibor ダウンロードとインストール
では、さっそくCliborを使ってみましょう。Cliborのダウンロードは以下の公式サイト「千草ウェブ」からどうぞ。

ダウンロードした「clibor.zip」を解凍すると、フォルダ「clibor」が現れます。インストーラーなしで使えるので、フォルダを任意の場所に置いて「Clibor.exe」を起動させてください。
ただし、フォルダをCドライブの「Program Files」に展開すると、保存データが別々になって分かりにくいので非推奨となっています。
Clibor 初期設定
Cliborは起動すると初回起動時のみ以下のメッセージが表示され、以後はタスクトレイに常駐します。
Cliborの各種設定変更はタスクトレイのアイコンを右クリックしてください。
さて、Clibor使用前にぜひやっておきたい初期設定が2つあります。「スタートアップへ登録」と「自動貼り付けを有効にする」です。
タスクバーに表示されているcliborアイコン(表示されない場合は△をクリック)を右クリックすると、Cliborのメニューが表示されます。「設定」をクリックして設定画面に進んでください。
設定画面の「基本動作」にある「自動貼り付けを有効にする」にチェックを入れ、続いて「スタートアップへ登録」を押してOKをクリックしてください。「設定変更」をお忘れなく。
自動貼り付けを有効にしないと、クリップボード履歴から選択して、さらにペーストするという手間がかかります。また、スタートアップに登録しておかないと、文章入力時にCliborをわざわざ起動させるという手間が生じます。
どちらの設定もCliborをストレス無く使うためには必須です。ぜひ最初に設定しておきましょう。
Cliborの使い方 クリップボード
では、Cliborを使ってみましょう。Cliborには「クリップボード」と「定型文」の2つのモードがあり、通常はクリップボードをメインで使います。
Clibor起動中にコピーした単語は、上書きされることなくクリップボード履歴に溜まっていきます。このクリップボード履歴は Ctrl キーを2度叩くと呼び出すことができます。
表示された履歴の中からカーソルキーでコピーした文章を選択すると、自動的にペーストされます(自動貼り付け有効の場合)。
コピーできるのは文章だけではありません。長いコードやhtmlの類でもOKです。何回も同じコードを違う位置に入力しないといけない場合はとても重宝します。
呼び出し方法や配色の他、クリップボード履歴の保存件数や一覧表示の件数も自分でカスタマイズできるので、使用状況に合わせて変更してください。いわしは小指をあまり動かしたくないので、呼び出し方法をShiftキー2回叩きに変更しています。
Cliborの使い方 定型文
続いてCliborの定型文を使ってみましょう。Cliborの定型文にはメールの挨拶でよく使う「お世話になります。」や「お疲れ様でございます。」のような文章や、会社の住所、メール署名などの定型情報を登録しておきます。
Ctrl キーを2度叩いて「クリップボード履歴」を呼び出し、右の「定型文」から文章を選択すればOKです。設定を変更すれば最初から「定型文」を呼び出すことも可能です。
単語の登録は、「定型文」タブの下で右クリックして、「新規登録」を選択してください。
編集画面から単語や文章を入力して、「登録」をクリックすれば単語登録完了です。編集可能最大:128KBとなっているので、数十ページ分の長いテキストでも登録可能です。
他の便利な機能として、FIFO/LIFOモードを使えば、コピーしたものを順番にペーストすることができます。
Cliborの操作方法や便利な使い方は、こちらの公式ページをご覧ください。

Windows10 クリップボードの履歴
Windows10には、クリップボード履歴から単語や画像を選択できる「クリップボードの履歴」という機能があり、Cliborと同じような使い方ができます。
まずは「Windowsキー」+「v」を押して、クリップボード履歴を有効にしてください。
文字列や画像をコピーすると、クリップボード履歴に追加されていきます。再度「Windowsキー」+「v」を押すと履歴が表示されるので、貼り付けたい内容を選択してください。
Windows10は、画像のコピーもクリップボード履歴に残るので、ワードやエクセル等のドキュメントファイルに画像を張り付けることができます。
また、windowsの「設定」にはクリップボードという項目があり、他のデバイスとクリップボード履歴を同期させたり、クリップボードの履歴をクリアすることができます。
ソフトウェアをインストールしたくないという方は、Windowsの機能を使うのも手ですよ。
Cliborを使って文章作成時間を短縮しよう
先ほどの例文を作成する際にコピペや予測変換を一切使わず、すべて手動で入力すると3分チョイかかりましたが、Cliborを使うと2分半で済みました。
長文含みの文章を作成するときに、履歴から単語を呼び出して貼り付けできる効果は絶大なものがあり、コピペする単語の数が多ければ多いほど、さらなる時間短縮が可能になります。
長文を作成したり、単語や文章を複数コピペするなら、ぜひCliborを使ってみてください。