日本語の入力をサポートする「Google日本語入力」の設定方法と使い方をご紹介します。
Google日本語入力は無料で使えるIME(Input Method Editor)で、常にアップデートされる豊富な語彙と、高い精度の補完機能が特徴です。
Google日本語入力は一般的な用語だけでなく、地名や人名、流行語などの豊富な語彙と、サジェスト機能による変換候補の予測表示で、日本語を効率よく変換しながら入力することができます。
日本語の文章作成効率は、IMEの性能がカギを握ります。日本語で長い文章を作成するときは、日本語変換能力の高いIMEソフトを使うと、作業が早くなります。
文章の作成スピードを上げるなら、IMEをGoogle日本語入力に変えてみてください。
PC向けのGoogle日本語入力はWindows版とMAC版、スマホ向けならAndroid版があります。今回はWindows用のインストールと設定方法をご紹介します。
あと、iPhone版のGoogle日本語入力はありませんが、iPhoneアプリの「Gboard – Google キーボード」をインストールすると、ほぼ同様の辞書や変換機能が使えます。
Google日本語入力の特徴
Google日本語入力の公式サイトには、以下の3つの特徴が記載されています。
- 便利な補完機能
- 常にアップデートされる豊富な語彙
- 安全で快適なソフトウェア品質
便利なサジェスト機能
補完機能とはサジェスト機能(予測変換)とも呼ばれ、入力の途中でその後のフレーズ予測を行い、文字列の候補を下に表示してくれます。
一般的な用語や専門用語はもちろん、個々の使用状況によってサジェストが最適化されるので、よく使うフレーズはGoogle日本語入力が記憶して自動補完してくれるようになります。
また、よく使う慣用句や長文のあいさつ文を登録しておくと、最初の1文字を入力するだけで候補文をサジェストしてくれるので、とても便利です。
常に最新の辞書が使える
Googleは検索エンジンに入力される最新情報をチェックして、日本語入力の辞書を作成しています。そのため、最近有名になった芸能人や流行語、はやりのお店にもすぐに対応してくれます。
また、辞書に登録されている用語は常にアップデートされ、珍しい人名や地名、一般では使われない専門用語、顔文字などもカバーし、いつでも最新の用語を使うことができます。
難しい漢字や長い用語を入力するのは大変ですが、サジェスト機能を利用すれば正しい用語や文字を選択できるので、入力間違いを防ぐことができます。
安全なセキュリティ
IMEを快適に使うなら、変換やサジェスト表示のスピードはとても重要です。Google日本語入力は変換スピードが早いので、文字入力でストレスを感じることはありません。
あと、外部IMEで気になるのは個人情報やパスワードなどのセキュリティです。
以前に入力した情報を無断で中国に送って、問題になったアプリがありましたが、Google日本語入力では、入力した文字列などの個人情報は送信されないので安全です。
プライバシーも配慮されており、PCを共有したり人前で使うときは、シークレットモードに切り替えると、サジェストの学習機能が無効になります。
Google日本語入力のダウンロード
では、さっそくGoogle日本語入力を使ってみましょう。特にややこしい設定もなく、作業は数分で終了します。
まずはこちらからGoogle日本語入力のインストールファイルをダウンロードします。
Google日本語入力ダウンロード Google 日本語入力 – Google
「Windows 版をダウンロード」をクリックしてください。MacやAndroidスマホをお使いの方は、ここから下に進むとMac版とAndroid版もダウンロードできます。
利用規約が表示されるので「同意してインストール」をクリックします。Googleに使用状況データと障害レポートを送信するオプションもあります。お好みでチェックを入れてください。
Google日本語入力のダウンロードが始まり、「このファイルを保存しますか?」というポップアップが表示されるので「ファイルを保存」します。
Google日本語入力のインストール
Google日本語入力インストール用ファイルは「GoogleJapaneseInputSetup.exe」です。このファイルをダブルクリックしてインストールを始めましょう。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されるので「はい」をクリックします。
Google日本語入力のインストールが始まるので、しばらくお待ち下さい。
Google日本語入力の初期設定
インストールが終わったら、初回起動時の設定に進みます。
- Google日本語入力を既定のIMEとして設定する
- 押し間違えの多いホットキー(Ctrl+Shift)によるIMEの切り替えを無効化
- MS-IMEのユーザー辞書をGoogle日本語入力に引き継ぐ
Google日本語入力を既定のIMEにする設定は必ずチェックしましょう。
誤入力によるIME切り替えを無効化、MS-IMEに登録したユーザ辞書をGoogle日本語入力に引き継ぐ設定も、できればチェックしましょう。
「OK」をクリックして初期設定を終了すると、Google日本語入力が使えるようになります。
Google日本語入力の設定 IME切り替え
Google日本語入力の使い方は他のIMEと同じで、「半角/全角」キーで入力モードを切り替えて、文字を入力したらスペースキーで変換候補を選びます。
Google日本語入力のアイコンは右下に表示されます。既存のMicrosoft IMEとの切り替えは、アイコンをクリックするか、Windowsキー + Space で切り替えます。
ひらがなと直接入力の切り替えや、英数、カタカナの変換は、IMEアイコンを右クリックするか、キーボード左上の「半角/全角」、またはスペースキーの両サイドにある「変換」と「無変換」で切り替えます。
辞書ツールや単語登録、入力方法を設定するためのプロパティも、IMEアイコン右クリックで開きます。
辞書に単語登録
では、Google日本語入力の辞書に単語を登録してみましょう。まずはIMEアイコンを右クリックして「辞書ツール」を開きます。
辞書ツールに「よみ」と「単語」を入力してみましょう。メールでよく使う慣用句「お世話になります」や「よろしくお願いします」を、たった2文字で変換できるようにします。
「よみ」をクリックして「おせ」と入力して、単語には「お世話になります。」を入力します。
単語を増やすときは、メニューから「追加」をクリックしてください。
続いてよみに「よろ」を入力して、単語には「よろしくお願いします。」を入力します。
実際に試してみると「よろ」と入力するだけで「よろしくお願いします。」が変換候補に表示されました。「よろ」の後ろ9文字は入力不要なので、かなりの効率化になります。
よく使う慣用句や長い文言を辞書に登録しておくと、冒頭の数文字だけで長文を入力することができます。辞書ツールを活用して、自分の文章スタイルにあった辞書を作成してください。
PCの買い替えなどで辞書をインポート・エクスポートするときは、以下の記事を参照してください。
辞書の移行 Google日本語入力 辞書のインポートとエクスポート
Google日本語入力 強力な辞書
実際にGoogle日本語入力を使ってみた感想ですが、Google検索窓のサジェスト機能がそのまま文章入力で使えるような感覚です。
よく使う長文も、途中まで入力するとサジェストが表示されるので、いちいち最後まで入力する必要はありません。使い方に慣れると、かなりスピードアップすると思います。
あと、Google日本語入力の辞書機能はかなり強力で、豊富な語彙によって難しい地名や人名でも完璧に変換できます。
通常のIMEではなかなか変換できない地名があります。京都であれば「西洞院」や「太秦」あたりで、辞書に登録していない場合は、いちいち「西」「洞」「院」と一文字ずつ入力しないといけません。
でも、Google日本語入力を使うと「にしのと」で候補が表示されました。
地元の人以外は読めない「太秦(うずまさ)」も、ちゃんと正しい地名を表示してくれます。
四字熟語もちゃんと変換できます。「荒唐無稽」も「こうとうm」でもう候補が表れました。
Google日本語入力は専門用語だってお手の物です。下の記事にもあるように、「色素増感型太陽電池」や「ポリメラーゼ連鎖反応」、「トリクロロエチレン」といった科学用語も、強力すぎるサジェスト機能でバリバリ変換してくれます。
さらにはこんな用語までサジェスト機能がカバーしています。
「オーバードライブ」と入力すると「波紋疾走」が変換候補に表れ、「サンライトイエローオーバードライブ」も、ちゃんと「山吹色の波紋疾走」で候補に表れます。「ジョジョの奇妙なGoogle日本語入力」かぁ・・・Google日本語入力って凄すぎる。
よく使う文章や単語はちゃんと上位に表示されるようになってますし、地名などの固有名詞もバッチリ対応、さらには専門用語やマニアックな世界まで、強力なサジェスト機能でカバーします。
Google日本語入力に慣れると、他のIMEは使う気になりませんよ。
Google日本語入力の便利な使い方
さて、Google日本語入力には実用的なものからお笑い系のものまで、たくさんの機能が搭載されています。
まずは郵便番号から住所を入力してみます。京都市役所の郵便番号は〒604-8571なので、こいつを入力してみると・・・全部入力する前にもう候補が表れました。
時間がかかる地名の入力もあっという間に終了します。今更ながらGoogle日本語入力の便利さに驚いています。
占いやおみくじ
続いてお笑い機能(?)の占いです。「おみくじ」と入力して変換してみると・・・おお、大吉ですよ、大吉!
Google日本語入力のおかげで、今日一日幸せに過ごせそうですwww
計算や数字の変換
他にも数字を変換したり、計算ができる機能もあります。Googleの検索窓にも同じような機能がありますが、こちらは数字を入力できればどこでも使えます。
計算機能
「1+2=」や「8/2=」、「6*3(5-1)=」といった計算式を入力すると、答えを表示してくれます。最後に必ず = (イコール)を入力してください。
数字の単位変換
数字を入力して変換すると、漢数字や2進数、8進数、16進数に変換してくれます。
西暦や元号の変換
西暦を入力すると、変換候補に元号が表示されます。例えば「2021ねん」を変換すると令和3年が表示され、「へいせい31ねん」を変換すると2019年が表示されます。
日時の変換
「きょう」や「あす」を変換すると今日や明日の日付が表示され、「いま」を入力すると現在の時刻が表示されます。
絵文字や顔文字の変換
Google日本語入力には、絵文字や顔文字を変換して入力する機能があります。
「わーい」や「にこにこ」のように、感情や気持ちを表す言葉を入力すると、「(^o^)」や「(*^^*)」といった顔文字や絵文字に変換してくれます。
絵文字の表示
「いぬ」「ねこ」「はーと」などを入力すると、絵文字の🐶😺❤が表示されます。
顔文字の表示
「わーい」を入力すると「(^O^)」が、「うれしい」は「(≧▽≦)」に変換されます。他の顔文字も変換候補にたくさん表示されます。
変換候補に絵文字や顔文字を出さない方法もあります。
IMEオプションを右クリックして「プロパティ」→上の「辞書」タブに進み、「絵文字変換」か「顔文字変換」のチェックを外して「OK」してください。
シークレットモードとプレゼンテーションモード
Google日本語入力には、一時的に学習機能、入力履歴からのサジェスト機能、ユーザ辞書機能を無効にする「シークレットモード」があります。
また、一時的にすべてのサジェストを無効にする「プレゼンテーションモード」もあります。
これらの機能を使うと、プレゼンのように公開でPCを使う場面でも、プライベートの変換候補や過去の変換履歴が表示されないので、プライバシーを守ることができます。
設定はIMEアイコン右クリックでプロパティを開き、「プライバシー」内のシークレットモードまたはプレゼンテーションモードにチェックを入れればOKです。
いちいち切り替えるのが面倒な場合は、「こまんど」と入力すると検索候補に「シークレットモードをオン」、「サジェスト機能を一時停止」が表示されるので、ここで設定することもできます。
Google日本語入力のアンインストール
Google日本語入力を使わなくなった場合に、Windowsからアンインストールする方法をご紹介します。まずはWindowsのスタートメニューを右クリックして、「アプリと機能」に進みます。
下にスクロールしてGoogle日本語入力を選び「アンインストール」をクリックすると「このアプリとその関連情報がアンインストールされます。」と表示されるので、もう一度「アンインストール」をクリックします。
Google日本語入力アンケートの回答画面に移り「システムを再起動する必要があります。」というポップアップが表示されます。アンケートに答えない場合は、「はい」をクリックしてそのまま再起動させてください。
Google日本語入力のさらに詳しいアンインストール方法は、以下の記事で紹介しています。
IMEはGoogle日本語入力がおすすめ
今までずっとMicrosoft IMEを使い続けてましたが、単語や地名がきちんと変換されずにイラっとすることもあります。仕事で文章を書くことが多いので、これを機にIMEをGoogle日本語入力に変更することにしました。
日本語入力は昔からATOKの評価が高いのですが、有料というところがネックです。
他のIMEだとGoogle日本語入力の他に、BaiduIME、Simejiなんてのもありますが、BaiduIMEやSimejiは無断で文字入力の内容を自社サーバに送信していることがバレて、えらい問題になりましたね。
というわけで、PCの日本語入力でMicrosoft IMEを使っているという方は、Google日本語入力ををおすすめします。
音声だけで文章を作成できるGoogleドキュメントの音声入力も、文章変換にGoogle日本語入力を用いることで高い音声認識精度を実現しています。
キーボードを使わずに入力できるので、こちらも併用すると日本語入力がとても楽になりますよ。