iPhoneで格安SIMを使うため、携帯番号をそのまま移行できるMNP(モバイルナンバーポータビリティ)を活用して、ドコモからmineoに乗り換えた時の手順を紹介します。
MNP(モバイルナンバーポータビリティ)とは、現在利用している電話番号のまま、他のキャリアやMVNO(格安SIMを提供している通信事業者)に乗り換えできる制度のことです。
MNPを使って格安SIMのmineoに乗り換えるためには、MNP転入手続きやMNP転入切替の手続きを行い、iPhoneのネットワーク設定を変更する必要があります。
格安SIMに乗り換えるために手順を踏む必要はありますが、10分以内の通話がかけ放題になるmineoでんわアプリを使うと、電話料金が約3分の1まで下がりました。
使用状況によりますが、ドコモから格安SIMに乗り換えると、年間を通じて新しいiPhoneが1台買えるぐらい電話料金が節約できますよ。
格安SIM mineoを選んだ理由
ドコモのiPhoneからMVNOの格安SIMに乗り換えるため、いろいろな格安SIM業者やプランを検討していましたが、最終的に選んだのはケイ・オプティコムが運営する「mineo」でした。
はっきり言って、格安SIMの基本料金はどこを選んでもそれほど変わりません。あとは回線速度や通話プラン、サービス内容がそれぞれ違うので、自分に合った格安SIMのプランを選びましょう。
今回の格安SIM乗り換えで重視したのは、次の3点です。mineoはすべてクリアしています。
- ドコモ系の格安SIMであること
- iPhoneでテザリングができること
- 最低利用期間(2年縛り等)がないこと
一般の人とは格安SIM選びの基準がちょっと違っていて、料金や回線速度はぼちぼちで十分、サポートや有人店舗といったサービスも不要です。
まず「ドコモ系の格安SIMであること」ですが、これは山奥でも電波が届くドコモ回線でないと仕事に支障が出るためです。最近は山に入る仕事が多いので、山奥でも電波が入りやすいドコモ系回線の格安SIM選択は必須でした。
次に「iPhoneでテザリングができること」ですが、これも仕事絡み、出先でスマホからPCを接続することも多く、手持ちのiPhoneでテザリングができる格安SIMを選びました。
mineoの回線は3種類あって、以前にテザリングできるのはドコモ回線(Dプラン)のみでしたが、現在はau回線(Aプラン)、ソフトバンク回線(Sプラン)でもテザリングが可能です。
最後の「最低利用期間(2年縛り等)がないこと」ですが、もしmineoが自分の利用状況に合わない場合、すぐ別の格安SIMに乗り換えできるからです。
大抵の格安SIMは最低利用期間があって、その間に解約すると違約金が発生します。期間は6ヶ月~12ヶ月が多く、格安SIMによっては2年縛りが存在します。
mineoは現時点で数少ない「最低利用期間」がない格安SIMです。
あと、「利用者のシェアが大きいこと」も条件でした。基本的にMVNOの格安SIMビジネスは薄利多売なので、シェアが小さいとキャンペーン値下げや回線増強ができなくなります。
ICT総研のMVNO「格安SIM」利用者シェア(2017年6月)によると、mineoは楽天モバイル、OCNモバイルONEに続く3位となっています。
今使っているiPhoneはSIMロック解除(SIMフリー化)してあるので、速度に定評のあるau系のUQモバイルや、ソフトバンク系の b-mobile S や Uーmobile S も候補に入れたのですが、やはりドコモ回線という条件は外せませんでした。
以下はiPhoneをSIMロック解除(SIMフリー化)した時の記事です。ご参考まで。
MNPでmineoに乗り換える手順
今回はMNPを利用して、以前の電話番号は変更せずにドコモからmineoに乗り換えました。
まず最初にamazonでmineoエントリーパッケージを購入して、mineoドコモプランの申し込みとMNP転入の手続きを行います。それから数日後にSIMカードとmineoご利用ガイドが届くので、iPhoneにSIMカードを挿して初期設定を行うと、通話ができるようになります。
iPhoneの設定ですが、ガイドを見ながら行えばそれほど難しくはありません。今回はドコモからmineoに乗り換えたので、MNP転入切替設定も行いました。
ただし、MNP転入切替は手持ちのiPhoneだけで完結させることはできません。
MNP転入切替中はiPhoneが使えないので、ここだけは別途PCかタブレットを用意して作業することになります。あと、ネットワーク設定でプロファイルをインストールするときはwifiに接続できる環境が必要です。
初期設定は回線切替の待ち時間も含めて、およそ1時間ほどで終わります。
mineoとの契約方法はいくつかありますが、契約事務手数料3000円が不要になるmineoエントリーパッケージからの申し込みがオススメです。
mineoエントリーパッケージの中身は、申込み方法が記載された説明書が一枚入っているだけです。SIMカードは申し込み手続きが済んでから後日届きます。
mineoエントリーパッケージから申し込み
では、mineoエントリーパッケージの説明を見ながら申し込みをしていきましょう。mineoエントリーパッケージはamazonで購入するとすぐ届きますよ。
開封して中を開けると、上のような説明書が入っています。今回はPCから申し込みましたが、スマホでもレイアウトが変わるだけでページ内容は同じです。
必要なものは3点、まずは本人確認書類(免許証・健康保険証など)を用意します。料金支払いはクレジットカードのみなので、支払い可能なクレジットカード、あとはmineoのサービス利用に必要なeoID登録用のメールアドレスがあればOKです。
次に以下のURLから申し込みページにアクセスして、手続きを行います。
申し込みページから「mineoを新規お申し込みされる方」を選択してクリックします。
申し込み方法は「エントリーパッケージをお持ちのお客さま」を選択します。
下にエントリーコードの入力欄が表示されるので、mineoエントリーパッケージに記載されたコードを入力します。ゼロ「0」とオー「O」が見分けづらいので注意してください。
mineo プランやタイプを選択
サービスの種類を選んでいきます。プランはauプランまたはドコモプランで、乗り換え前のキャリアと同じプランを選べばOKです。タイプはデータ通信のみと音声通話付きの2種から、コースはお好みのデータ通信量を選択してください。
通話サービスは「mineoでんわ 10分かけ放題」を選びました。月額料金850円で10分以内の通話がかけ放題というおトクなサービスで、超過分も半額の30秒10円になります。
ただし、このサービスは専用アプリ「mineoでんわ」の利用が条件で、それ以外の通話は通常料金の30秒20円になるのでご注意を。
また、iOS版「mineoでんわ」は、着信履歴から発信することができません。着信履歴の電話番号をいちいちコピペして発信しないといけないので、電話がちょっと面倒になります。
「端末購入有無」は、iPhoneをすでに持っているので「端末を購入しない」を選択しました。「次に進む」をクリックします。
SIMカードの種類ですが、iPhone6s plus は「nanoSIM」を選択します。スマホのSIMカード形状がわからない場合は、「mineo動作確認端末一覧」で調べることができます。
携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の申し込みは「MNPする」を選んで、「MNP予約番号」「現在の電話番号」「MNP予約番号の有効期限」を入力していきます。なお、MNP申し込みは契約名義が同一で、MNP予約番号の有効期限も10日以上残っていることが必要です。
「オプションのお申し込み」で留守番電話や割込通話、端末の保証や各種サービスを選択します。「契約者情報の入力」はその下にあるので、必要なければさっさとスクロールさせて下さい。
「ご契約者さま情報」では氏名や住所、メールアドレスなどの情報を入力します。eoIDとパスワードもここで決めたものを使います。上から順に入力していってください。
※ ここで入力したeoIDとパスワードはこの時点で必ず控えておいて下さい。パスワードは後から確認できません。
支払い情報入力の前に、選択したプランの料金を確認することができます。月額費用はドコモの3分の1ぐらになりました。通話は10分以内なら「mineoでんわ 10分かけ放題」で定額になるので、あとは追加の通話料金やデータ通信がいくらかかるかですね。
料金確認から下に行くと、支払い情報の入力になります。クレジットカード情報を入力してください。
本人確認のため、免許証やパスポートなどの本人確認書類をアップロードします。
本人確認書類の画像アップロードは下にあります。「本人確認書類の選択」で免許証やパスポートなどの種類を選び、「ファイルを選択」で本人確認書類の画像をアップロードします。
画像はスマホで撮影すればよいでしょう。免許証を選択した場合、画像は裏表とも必要です。
提供条件(重要事項)とサービス約款を確認して、「同意する」をクリックします。
最後に入力情報を確認して「申し込みを確定する」をクリックしてください。
仮申し込みの受け付けが完了しました。あとはメールを確認して、申し込み完了手続き用URLをクリックすればOKです。情報入力お疲れ様でした・・・
申し込みの進捗状況は、「お申し込み進捗照会」ページから受付番号を入力すると確認することができます。後から届くメールに受付番号が記載されています。
あとはiPhoneにSIMを挿して設定するだけです。SIMカードは1週間ほどで届くので、それまで待ちましょう。
mineo SIMカード到着
mineoエントリーパッケージからmineoドコモプランの申し込みとMNP転入の手続きを行うと、およそ数日でSIMカードとご利用ガイドが届きます。
mineoの初期設定で必要な手順は以下の通りです。
- SIMカード取り付け
- MNP転入切替
- ネットワーク設定
- mineoメールアドレス設定
SIMカードを取り付けてMNP転入切替が完了すると、とりあえずmineoで電話(20円/30秒)が可能に、次のネットワーク設定が完了すると、データ通信が使えるようになります。
あとはキャリアメールの代わりとなるmineoのメールアドレスを設定しましょう。
mineoの初期設定は、図解付きでわかりやすいご利用ガイドを見ながら行えば、それほど難しくはありませんよ。
iPhoneのSIMカード入れ替え
ではmineoの初期設定を行いましょう。まず最初はSIMカードの取り付けからスタートです。
新しいSIMカードを台紙から取り外してください。SIMカードをつまみながら台紙をひねると簡単に取り外せます。
次にiPhoneの電源を切り、本体からSIMカードを取り外します。ペーパークリップの先をトレイの穴に差し込んで、少し押してやるとSIMカードのトレイが出てきます。
ドコモからmineoのSIMカードに入れ替えて、元通りに差し込んでください。
mineo MNP転入切替
今回はMNPでドコモからmineoに乗り換えたので、MNP転入切替を行います。あと、MNP転入切替中はiPhoneが使えないので、この設定はPCやタブレットから行う必要があります。
まずはmineoのマイページにアクセスしてください。
サイト mineo マイページ
eoID と パスワードを入力してログインします。
マイページを少し下にスクロールさせると「MNP転入切替/回線切替手続き」という項目があるのでクリックします。
「MNP転入切替/回線切替手続き」ページの下に「ICCID/製造番号(下4桁)」という欄があるので、台紙に記載された番号の下4桁を入力して「回線切替」をクリックしてください。
記載する番号は台紙のこの部分です。
「MNP転入切替/回線切替手続きの受付を完了いたしました。」と表示され、受付完了のメールが届きます。回線切替は30分ほどかかるので、しばらく待ちましょう。
30分ほど経つと回線が切り替わっているはずなので、iPhoneの電源を入れてテストコール「111」をダイヤルしてみましょう。「ただいまから着信試験を行いますので、電話を切ってしばらくお待ちください」というアナウンスの後に電話が切れます。
すぐ非通知設定の着信があるので電話に出ると「ただいま着信試験を行っています」というメッセージが流れます。これで回線の切替完了が確認できました。
iPhoneネットワーク設定
これで音声回線の切替は終了しましたが、この状態ではデータ通信は使えません。iPhone内のプロファイルをmineo用に変更して、ネットワーク設定を行う必要があります。
あと、プロファイルのダウンロードはwifiに接続できる環境で行ってください。
まずは下記のリンクからiPhone用プロファイルダウンロードに進みます。
※ このリンクはiPhoneのみ有効です。
メッセージが表示されるので「許可」をタップし、mineoのAPN構成プロファイルをインストールします。
パスコードを入力し、メッセージを確認して「インストール」をタップします。
構成プロファイルのインストールが完了したら、iPhoneの電源を一度落として再起動してください。これでデータ通信が有効になります。
iPhone ドコモのプロファイル削除
あとは不要になったドコモのプロファイルをiPhoneから削除しましょう。
※ドコモのプロファイルを削除すると、ドコモのアカウントで受信していたメールが消えてしまいます。メールの整理が済んでいない場合は、プロファイルを削除せず、そのまま残しておきましょう。
iPhoneのホームアイコン「設定」から「一般」→「プロファイル」に進み、ドコモのプロファイル「iPhone利用設定」→「プロファイル削除」をタップします。
パスコードを入力すると確認画面が表示されるので、「削除」をタップしてください。
mineo メール設定
最後にmineoのメールアドレスを設定します。iPhoneでドコモメールしか使っていなかったという方は、その代用としてmineoメールを設定します。
すでにGmailや自前のメールアドレスを使用中であれば、特に設定する必要はありませんが、mineoからの重要なお知らせはこのメールアドレスに届くので、面倒でも一応設定しておきましょう。
では、メール設定の前に初期メールアドレスを好みのものに変更します。初期状態でそのまま使うという方は「メールアカウント設定」まで飛ばして下さい。
まずはmineoマイページにログインします。初回ログイン時のみ「ご利用の端末からの初めてのログインです」という警告が表示されるので、下の「次へ」をタップしてください。
ログインしたら、下のメニュー「ご利用状況の確認」から「ご契約内容照会」に進み、下にスクロールさせると「メール」の項目があるので「メールアドレス変更」をタップしてください。
新しいメールアドレスを入力して、下の「申し込む」をタップしてください。変更は15分ほどで完了します。希望のメールアドレスがすでに使用済みの場合はエラーが表示されます。
mineo メールアカウント設定
では、iPhoneにmineoのメールアカウントを設定しましょう。まずはiPhoneのホーム画面「設定」アイコンから「アカウントとパスワード」→「アカウントを追加」に進みます。
「アカウントを追加」で「その他」→「メールアカウントを追加」に進みます。
受信メールサーバと送信メールサーバの各項目を入力していきます。必要な情報はご利用ガイドを参照してください。「次へ」をタップすると、アカウントの検証が始まります。少し時間がかかるので、しばらく待ちましょう。
入力内容に間違いがなければ次に進みます。保存をタップすると、mineoのメールアカウントが追加されます。
これでmineoから電話とデータ通信が使えるようになりました。お疲れ様です・・・
ただし、この状態で電話を使うと、30秒20円の料金がかかります。「10分かけ放題」などのお得な電話サービスを使うためには、mineo専用アプリ「mineoでんわ」をインストールする必要があります。
※ こちらで「mineoでんわ」のインストール方法と使い方を紹介しています。
使用状況によりますが、格安SIMに乗り換えてかけ放題サービスを使うと、年間を通じて新しいiPhoneが1台買えるぐらい電話料金が節約できますよ。