無料のウェブサイトやフリーソフト・スマホアプリを使って、電子印鑑を作成する方法を12選ご紹介します。
会社で使う請求書や見積書などの書類をワードやエクセルで作成している方は多いと思いますが、PCで作成した紙の書類をわざわざ印刷して、はんこを押すのは面倒ですよね。
無料のサイトやフリーソフトを使って電子印鑑を作成すると、印鑑の押印作業が全てPC内で完結するので便利です。
実印や銀行印は別として、社印や角印、社内で使う認印、回覧印の類なら、それほど文書の法的効力を問われることもないので、いちいち本物の印鑑を使う必要はありません。
コロナウイルスの流行を機に、働き方がテレワークや在宅勤務に変わり、書類や印鑑もどんどん電子化が進むでしょう。電子印鑑の需要は今後さらに伸びると思われます。
最近はスマホでエクセルやPDFを扱う機会も多いので、スマホだけで電子印鑑を作成する方法もご紹介します。無料で使えるソフトやサイトで電子印鑑を作成して、面倒な作業を一気に効率化してください。
あとは有料となりますが、自分で作成するのが面倒だったり、デザインやセンスに自信がないという方のために、本物と同じ印相体や篆書体の電子印鑑を格安で作成する方法もご紹介します。
無料で電子印鑑を作成できるサイト
無料で電子印鑑を作成できるサイト・ウェブサービスは以下の通りです。
いずれのサイトもアプリやソフトのダウンロードは不要で、ブラウザからサイトにアクセスするだけで電子印鑑を作成できます。
PIXLR X
PIXLR Xは無料で使える画像編集ウェブツールで、photoshopの代用として十分に使えるほどの機能を備えています。ソフトのインストール等は不要、サイトにアクセスすれば使えます。
押印した本物の認印や角印、会社印などをカメラで撮影、またはスキャンしてPIXLR Xで加工すると、透過PNG画像の電子印鑑を作成することができます。
朱肉の色や濃度を調整したり、背景を透明にして透過画像にする加工もこれ一つで完結します。
PIXLR Xで作成した電子印鑑は背景が透明(透過PNG)になっているので、文字が被っても大丈夫です。紙に印刷しても何ら遜色はなく、本物の印鑑が押してあるように見えます。
本物のはんこから電子印鑑を作成して、wordやexcel、PDFで扱えるようにすると、紙に印刷してはんこを押したり、スキャンしてPDFに変換する手間が省けるので、見積書や請求書を作成する際の作業効率が一気に向上しますよ。
PIXLR X 紹介記事 本物のはんこから電子印鑑を作成する方法
印鑑透過
印鑑透過はパソコンやスマホから、無料で透過PNG画像の印鑑画像が作れるウェブツールです。こちらもサイトにアクセスして、印鑑画像をアップロードすればOKです。
印鑑透過は、サイト側で画像の透過PNG変換やサイズ調整、色補正、ノイズ対策まで自動で行ってくれるので、面倒な作業は不要です。
使い方は簡単で、本物の印影を撮影またはスキャンするか、他のソフトで作成した印鑑画像を「印鑑透過」にアップロードするだけでOKです。
印鑑透過で作成した電子印鑑は、文字の上に捺印しても印影が被らず、背景との境界も違和感なく処理されるので、エクセルやワードで作成した書類にもバッチリ使えます。
本物のはんこから電子印鑑を作成する場合は、「印鑑透過」を使ったほうがはるかに簡単です。難しい調整は一切不要なので、初心者でも美しい電子印鑑を作成することができますよ。
印鑑透過の使い方は以下の記事をどうぞ。
印鑑透過 紹介記事 無料で印影背景を透明化 印鑑透過で電子印鑑を作成する
電子印鑑の色合いを微調整したり、細かい修正が必要な場合は、「Pixlr X」の方が便利です。状況に応じて使い分けてください。
マイスタンプメーカー
マイスタンプメーカーは名前や文字を入力するだけで、認印や角印、日付印、画像やイラスト入りのユニークな電子印鑑を簡単に作成できる無料サイトです。
アプリやソフトのダウンロードは不要で、ブラウザから電子印鑑を作成できます。
マイスタンプメーカーは無料ながら、セキュリティー対策済みの電子印鑑、画像やイラスト入りの印影、ユニークな消しゴムはんこ印を作成できるのでオススメです。
マイスタンプメーカーの使い方は、以下の記事をご参照下さい。
無料サイト マイスタンプメーカーでビジネス印や消しゴムはんこ印を作成する
白舟書体 ひともじ雅印とWeb風雅印
白舟書体のサイトでは、無料で本物の認印と同じ印影が作成できる「web認印」というウェブツールを提供していましたが、現在は使えなくなっています。
白舟書体の印影作成ウェブツールは「Web認印」だけでなく、落款に使うような雅印を作成できる「ひともじ雅印」や、年賀状でよく見かける風雅印を作成できる「web風雅印」があります。
作成はweb認印と同様、必要項目を埋めて作成ボタンをクリックするだけです。さらに、「●●之印」といった名字の落款や蔵書印も無料で作成できますよ。
角印や社印などのビジネス印と違って、遊び心いっぱいの雅印や落款があると楽しいですよ。
※ 白舟書体のサイトには「各種電子印鑑・電子署名サービスの印影として登録されることもお控えください。」という注意書きがあるので、個人の使用等に限って作成してください。
無料で電子印鑑を作成できるフリーソフト
無料で電子印鑑を作成できるフリーソフトやアドインは以下の通りです。
これらのフリーソフトはパソコン用で、PCにインストールして使います。「Excel電子印鑑」はExcelのみで使えるアドインです。
「パパッと電子印鑑Free」は無料で使えますが、有料版にアップグレードすると隷書体や古印体などの印章用フォントや、本物の印影を登録する機能が使えます。
パパッと電子印鑑Free
無料の電子印鑑フリーソフトで一番オススメの「パパッと電子印鑑Free」は、フリーソフトとは思えないほど多機能で、より本物に近い電子印鑑が簡単に作成できます。
作成した電子印鑑はベクターデータで出力されるため、拡大縮小しても画像が乱れることはありません。また、印鑑パネル機能を使えば、ドラッグ&ドロップするだけで押印することができます。
さらに、詳細編集を使えばフォントを1文字ずつ微調整できるので、より本物に近い電子印鑑が作成できます。これは他の無料ソフトにはない特徴です。
有料版は隷書体や古印体などの印章用フォントや、本物の印影を登録する機能が使えます。PDFファイルに直接押印できる機能や、PDFを編集できる機能も追加されます。
パパッと電子印鑑Freeの使い方は、以下の記事をご参照下さい。
クリックスタンパー
会社の見積書や請求書でよく使う角印・社印は、無料の電子印鑑作成フリーソフト「クリックスタンパー」で作成することができます。
クリックスタンパーにはあらかじめサンプルが用意されており、それを基にして社印や角印の他に、丸印、三文判・回覧印・日付入りネーム印などが簡単に作成できます。
また、角印や社印の他にも、会社の署名印やマル秘印、FAX済、日付印など、会社で使うような印鑑は大体作成できます。
クリックスタンパーは、印鑑の大きさ、フォント、色などを自在に変更できます。変更した項目はその場でプレビュー表示されるので、修正も簡単ですよ。
あとは作成した印影を透過PNG画像で保存しておけば、電子印鑑が下の文字に被っても大丈夫です。詳しい使い方は以下の記事をどうぞ。
参考記事 クリックスタンパーの使い方 無料で角印や丸印を作成
Excel電子印鑑
Excelで電子印鑑を作成するなら、無料のExcelアドイン「Excel電子印鑑」もオススメします。
Excel電子印鑑は、認印・日付入りデーターネーム印をはじめ、「社外秘・重要・見本・至急」印など、会社でよく利用するビジネス印を無料で作成することができます。
また、各種電子印鑑の作成も簡単にできます。フォントはPC内にある全てが利用可能で、色も40種類から選択でき、作成した印影はその場でプレビューできます。
Excel電子印鑑は自分で作成したユーザー印にも対応しているので、他のウェブツールやフリーソフトで作成した電子印鑑を登録しておけば、様々な印鑑を使用することができます。
Excel電子印鑑があれば、Excelで作成した書類の押印作業は大抵カバーできますよ。Excel電子印鑑の使い方は以下の記事をどうぞ。
参考記事 Excel電子印鑑の使い方
クリップスタンプ
電子印鑑作成フリーソフト「クリップスタンプ」は、Microsoft Excelや、Microsoft Word、一太郎などのワープロソフトに、角印や日付印、三文判を捺印することができます。
作成できる印鑑は、日付印、代理印、三文判、丸印、角印、2分割印の6種で、会社で日常的に使うような印鑑はほぼカバーできます。フォントやサイズ、印鑑の色なども自由に設定できます。
見積書や請求書などのビジネス文書は、大抵ワードやエクセルで作成されています。クリックスタンプは、ワードとエクセルの両方で電子印鑑が使えるので便利ですよ。
もちろん、office 互換のフリーソフト LibreOffice や Apache OpenOffice でも使えます。クリップスタンプの使い方は以下の記事をどうぞ。
参考記事 クリップスタンプの使い方 電子印鑑作成フリーソフト
Adobe Acrobat Reader
Adobe Acrobat Readerは、PDFの編集や加工ができるフリーソフトです。
Acrobat Reader には、日付印・検印・ネーム印などのほか、「承認済」「極秘」などのスタンプがあらかじめ登録されています。
また、認印や角印・社印などの電子印鑑を作成して、Acrobat Reader のカスタムスタンプに登録すると、PDFで作成した書類に電子印鑑を押印することができます。
参考記事 Adobe Acrobat ReaderでPDFに電子印鑑やスタンプを押す方法
Acrobat Reader DCの電子サイン機能を使うと、月2回まで無料でPDFに電子署名を追加することができます。これによって第三者による不正やPDF文書の改ざんを防止したり、信頼性やセキュリティが向上します。
参考記事 無料でPDFに電子署名!Acrobat Reader DCを使った電子サインのやり方
無料のスマホアプリで電子印鑑を作成
以下のスマホアプリやウェブサイトを使うと、無料で電子印鑑を作成できます。スマホしかない場合でも電子印鑑が使えるので便利です。
Photo印鑑+ARはiPhone用のスマホアプリです。本物の印影を撮影すると、たったの数分で透過PNG画像の電子印鑑を作成できます。
スマホ版Acrobat Readerには、カメラで撮影した印影を電子印鑑にする機能があります。
スマホの写真アプリと印鑑透過を組み合わせると、スマホだけで電子印鑑を作成できます。
Photo印鑑+AR
たったの数分で電子印鑑を作成できるiPhoneアプリ「Photo印鑑+AR」は、紙に印刷した本物の印影を撮影するだけで、透過PNG画像の電子印鑑を作成できます。
朱肉の色やサイズも変更可能で、印影のかすれや滲みも調整できます。
また、机や紙などにスマホをかざすと、ARで作成した電子印鑑の仕上がりも確認できます。Photo印鑑+ARの使い方は、以下の記事をご覧ください。
iPhoneアプリ 電子印鑑アプリ「Photo印鑑+AR」の使い方
スマホ版Acrobat Reader
スマホ版Adobe Acrobat Readerはスマホ用のPDFアプリで、カメラで印影を撮影するだけで、透過画像の電子印鑑を作成する機能があります。
電子印鑑の作り方ですが、Acrobat Readerの署名ツールを開き、スマホのカメラで印影を撮影するか、アルバム内の印影画像を選べばOKです。
あとは電子印鑑をPDF文書に貼り付けてください。スマホ版Acrobat Readerアプリの使い方は、iPhoneもAndroidも同じです。
電子印鑑をPDF文書に押印するなら、スマホ版Acrobat Readerで作成するのも手です。詳細な使い方は以下の記事をご覧ください。
スマホアプリ スマホ版Adobe Acrobat Readerで電子印鑑をPDFに押印する
スマホの写真アプリと印鑑透過
無料のウェブツール「印鑑透過」と、スマホの写真アプリを組み合わせると、スマホだけで電子印鑑を作成することができます。PCは一切不要、スマホしかない方でも作成できます。
作成手順はiPhoneもAndroidスマホもほぼ同様です。まずはスマホで撮影した印影をトリミングします。
続いて露出や彩度、傾きを調整します。
印影画像の加工が終わったら、印鑑透過で電子印鑑を作成しましょう。フォトライブラリから印影画像を選択してアップロードすると、透過画像の印影が作成されます。
もちろん、透過pngの印影なので文字の上に被っても大丈夫です。色も補正されています。
作成した電子印鑑はスマホ版エクセルやPDFなどのアプリで利用できます。いちいちPCに転送しなくても、スマホだけで電子印鑑を押印できるようになるので便利ですよ。
スマホで電子印鑑を作成するのはそれほど難しくないので、ぜひ一度試してください。詳しい作成方法は以下の記事をどうぞ。
参考記事 スマホで電子印鑑を作成する方法
印相体や篆書体の電子印鑑を作成する
この方法は無料ではなく有料ですが、格安で本物の印鑑と同じ書体の電子印鑑を作成する方法があります。
楽天だとたった500円、Amazonでも998円で印相体や篆書体の電子印鑑が作成できます。印鑑の種類も豊富で、個人印や認印、法人用の角印、丸印も作成できますよ。
印影の文字サイズ調整やデザインの手間を考えると、この価格は格安です。
フリーソフトやサイトで電子印鑑を作成すると、今ひとつ印鑑らしさに欠ける場合があるので、印影の見栄えにこだわるなら、有料の電子印鑑を使ってみるのも手です。
自分で作成するのが面倒だったり、デザインやセンスに自信がないという方にオススメします。

電子印鑑を無料で作成できるフリーソフトやサイト まとめ
以上、電子印鑑を無料で作成できるフリーソフトやサイト12選と、有料のサイトを1つご紹介しました。無料のウェブツールやフリーソフトでも、十分にきれいで実用性のある電子印鑑が作成できます。
電子印鑑を活用して、見積書や請求書、納品書などのビジネス文書や、社内文書のペーパーレス化を進めると、作業の効率化や印刷費用の削減といったメリットがあります。
ただし、電子印鑑は単なる画像なので簡単にコピーされる恐れがあり、信頼性やセキュリティの面ではイマイチというデメリットもあります。実印や銀行印などの重要な印鑑から電子印鑑を作成するのは避けたほうが賢明です。
メリットとデメリットを踏まえた上で電子印鑑を活用して、文書印刷や押印のような面倒な作業を一気に効率化してくださいね。