クラウド型法人会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」には、会計業務を楽にしてくれる便利な機能がたくさんあります。今回はその中の一つ、減価償却費を自動計算してくれる「固定資産台帳」をご紹介します。
期末に行う減価償却費の計算はとても面倒な作業ですが、建物や機械などの固定資産をマネーフォワード クラウド会計の固定資産台帳に登録しておけば、減価償却費を自動計算して仕訳に反映してくれるのでとても便利です。
※ 減価償却の計算方法は各事業所によって異なり、計算の根拠となる税法も年度ごとに変更されています。減価償却で不明な点があれば、税理士さんや税務署に問い合わせて確認してください。
マネーフォワード クラウド会計の固定資産台帳で減価償却費を自動計算
自分で会計をやっていると、決算ごとに面倒な作業が必要になります。減価償却費の計算もその中の一つです。
減価償却費はいろいろ決まりごとがあって、対象となる固定資産の耐用年数や、定額法・定率法などの償却方法、税抜経理と税込経理、使用開始時期によって計算方法が変わります。
また、少額償却資産の特例を利用して即時償却する場合も、固定資産として一度台帳に計上する必要があります。
車や機械などの固定資産が多いと、決算ごとにすべての減価償却費を計算しないといけないのですが、マネーフォワード クラウド会計の固定資産台帳を使えば、減価償却費はすべて自動で計算、しかも決算時に必要な仕訳も自動的に反映させてくれるのでとても便利です。
マネーフォワード クラウド会計 固定資産の追加
では、固定資産台帳に固定資産を追加してみましょう。一例として営業用の車を固定資産台帳に入力していきます。(必須)の項目は必ず入力してください。
まずは左メニューの「決算・申告」から「固定資産台帳」に進みます。
上部にある「固定資産の追加」をクリックして、固定資産の詳細を入力していきます。
まず最初に勘定科目を選択します。クリックすると固定資産として計上できるものが表示されるので、ここから車の項目「車両運搬具」を選択します。
続いて4項目、それぞれ名称や価格等を入力します。取得価格は税抜経理と税込経理で金額が変わるのでご注意を。この会社は税込経理なので、車両価格150万+税の1,620,000円で取得価格を記載しています。
期中に固定資産を購入した場合、減価償却費は月割で計算します。「取得日」を入力すると、月割の減価償却費も自動で計算してくれます。
減価償却方法
「償却方法」で固定資産の減価償却方法を選択します。通常は定額法か定率法のどちらかを選択します。
また、対象者や金額によりますが、30万までの固定資産は少額減価償却資産として、即時償却や一括償却して損金に算入することも可能です。
ざっくり言うと、10万以下は「少額減価償却資産」として全額、20万以下は「一括償却資産」として全額または3年均等償却、30万以下は「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を使って、合計300万まで全額償却できます。30万以下の損金算入特例は、今のところ平成30年3月31日まで利用可能です。
少額減価償却資産については、こちらの「マネーフォワード クラウド 公式ブログ」に詳しく書かれているのでご一読を。
耐用年数
固定資産の耐用年数を選択します。国税庁のサイトを見ると、車の耐用年数は6年なので「6」を選択します。
減価償却資産は税法で耐用年数が決まっているので、勝手に減価償却の期間を決めることはできません。国税庁のサイトに固定資産の耐用年数表があるので参照してください。
固定資産はモノだけでなく、ソフトウェアや特許権、商標権、営業権のような無形固定資産も含まれ、それぞれに耐用年数があります。
ちなみに、一般的なPCの耐用年数は4年となっています。また、変わったものでは牛や豚、リンゴやみかんの樹などの生物も固定資産になります。
今期償却額
ここまで入力すれば、あとは自動的に今期の減価償却費を計算してくれます。「自動計算による参考値」が表示されているので、これをそのまま記入すればOKです。
上の「事業供用開始日」には、実際にその固定資産を使い始めた期日を入力します。
例えば開業前に車を買ったり、店舗の引き渡しから2ヶ月後にオープンするような場合は、先に入力した「取得日」と「事業供用開始日」が変わってきます。減価償却費は取得日ではなく、実際に事業で使い始めた日から計算するので、待機期間内は費用として計上できません。
残りの「期首残高」や「特別償却額」は、必要に応じて記入して下さい。最後に下の「保存」をクリックすると、固定資産台帳に反映されます。
マネーフォワード クラウド会計 固定資産の一覧
ご覧の通り、固定資産の一覧に車が計上されています。これで車の今期償却額や残高が一目でわかるようになりました。仕訳にも自動反映されて、期末の決算整理として減価償却費が計上されます。
もちろん、固定資産台帳は次年度にも繰越されて、耐用年数に応じた減価償却費を自動で計上してくれます。あとは購入した固定資産をどんどん台帳に追加していってください。
経理を省力化できるマネーフォワード クラウド会計は、中小企業の心強い味方です。ぜひ使いこなして下さいね。