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農業でIoTを活用 Raspberry Piで作るマイコン温湿度計

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Raspberry Pi マイコン温湿度計

農業向けIoT活用の一環として、マイコン温湿度計をしいたけ栽培施設で運用しています。

このマイコン温湿度計は、しいたけ栽培施設の温度と湿度を外部からチェックするために作りました。小型マイコンのラズベリーパイ(Raspberry Pi)と、無線マイコンモジュールのトワイライト(TWE-Lite)を組み合わせています。

使い始めて2ヶ月ほど経ちましたが、外部からしいたけ栽培施設の温湿度をモニタリングできるのでとっても便利です。また、1日ごとに温度と湿度の推移をログで残してくれるので、収穫量と温度との関係も一目瞭然になります。

しいたけ栽培は温度と湿度の管理がとても重要なので、こういうものがあると非常に助かります。今はなんちゃってIoTのレベルですが、将来は空調や散水も自動化することを目指してます。

モノのインターネット(IoT、Internet of Things)と農業の融合を目指し、これからいろいろ実験してみようと思ってます。

以下はしいたけ栽培施設を自らの手で作り、悪戦苦闘しながら少しずつ販路を開拓していたときの記録です。試食販売や温度管理のIoT機器も紹介してます。

京都のしいたけ栽培記録
しいたけ栽培施設を自らの手で作り、少しずつ販路を開拓しながら、しいたけを栽培したときの記録です。試食販売や温度管理のIoT機器も紹介してます。
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気温が高いとしいたけは発生しない

2015年からしいたけの栽培を始めて、そろそろ1年になります。

試行錯誤を経て冬場は何とか乗り越えましたが、夏のしいたけ栽培はまだ経験不足で、やってみないとわからないことがたくさんありました。

夏のしいたけ栽培は結構難しくて、気温が上がり過ぎると発生しなくなります。しいたけの品種にもよりますが、だいたい22~23度が発生温度の上限で、さらに30度を超えると菌糸の活動が止まり、35度になると椎茸菌が死滅します。

しいたけ栽培農家も、夏の間はしいたけ栽培を休止するところが多いそうです。

しいたけ菌床

実際に気温が高かった7月初旬は、エアコンを中途半端に使ったことが原因で高温障害が発生し、しいたけが全く出なくなりました。ほとんど収穫できないので、スーパーに出荷できず売上も立ちません。

しいたけ栽培施設を改修したり、エアコンを常時運転にすることで事なきを得ましたが、ここで役に立ったのが温度と湿度の統計データです。

湿度は特に問題ありませんでしたが、しいたけの発生が止まった時の温度と、普通に発生していたときの温度を見比べると一目瞭然、明らかに最低温度が違います。

この時は電気代を節約するため、タイマーで数時間おきにオンオフを繰り返すようにしていましたが、これが高温障害の原因だったようです。この設定では栽培室内の温度が下がりませんでした。

しいたけ栽培でIoTを活用

マイコン温湿度計 温度と湿度のグラフ

これはしいたけが発生しなかった日の温湿度データです。しいたけ栽培施設の温度が上下を繰り返し、発生温度まで下がりきっていません。収穫や散水の時は扉を開けるので、外気温と同じぐらいまで温度が上がっています。

これはマズイということで、しいたけ栽培施設を最上階から下の階に移動させました。やはり屋根の真下より、その下の階のほうが気温は下がります。施設自体も隙間を塞いだりして断熱効果を高め、温度を低く保てるように改修しました。エアコンも常時運転に切り替えました。

その結果、しいたけ栽培施設の内部温度が下がり、またしいたけが発生するようになりました。いやぁ、ホッとしましたよ・・・(^^;

この一件でわかるように、しいたけ栽培は温度と湿度の管理がとても重要です。特に夏場と冬場は温度管理ができないと、通年でしいたけ栽培を続けることはできません。

とはいえ、しいたけ栽培工場にずっと張り付いて数字をチェックするわけにもいきませんよね。ここで役立つのが「IoT」です。

まずは外部からの温湿度チェックに始まり、さらにデータを蓄積して成長速度や収穫量などの相関関係を分析できるシステムまで構築できれば、しいたけ栽培にとって大きなメリットになります。

将来はしいたけ菌床の温度管理や散水も、センサーと空調設備やポンプを連動させて自動化することが目標です。そのためにはIoTの活用が欠かせません。

また、農業分野でIoTを活用するにあたり、実際の現場でいろいろ実験するという目的もありました。温度管理や散水はしいたけに限らず、農業全般で応用可能です。

センサーを交換すれば二酸化炭素濃度や照度など、各種データを取得することも可能ですし、実際に水位や温度を計測できる農業センサーが続々登場しています。

水稲向け水管理支援システム PaddyWatch(パディウォッチ)ご利用ガイド
水田センサPaddyWatch(パディウォッチ) PW-2300・PW-2400の製品購入から設置の仕方、計測したデータを確認するためのご利用登録の流れなど、PaddyWatchを快適にご利用いただくための手順をご案内します。

また、スマホで各種データを確認できるセンサー「Netatmo ネタトモ ウェザーステーション」が2万円程度で販売されています。

これは気温、湿度、気圧、騒音、二酸化炭素濃度の測定が可能で、雨量計や風速計も追加できます。これほどの高機能センサーがたったの2万円ですよ・・・いや、ビックリです。

Netatmo ウェザーステーションは実際にしいたけ栽培設備で使っています。紹介記事を書いたので、よかったらご覧ください。

NETATMO(ネタトモ) ウェザーステーションの設定と使い方
スマホから室内外の温度や湿度、さらに気圧、騒音、二酸化炭素濃度のチェックができる「Netatmo ネタトモ ウェザーステーション」の設定と使い方をご紹介します。測定したデータはクラウドに保存され、履歴や統計データはスマホから見ることができます。
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ラズベリーパイとTWE-Liteの組み合わせ

マイコン温湿度計 親機

作ってもらったマイコン温湿度計は、親機と子機という構成になっています。

親機はラズベリーパイ(Raspberry Pi)とモノワイヤレスのZigBee無線マイコンモジュールTWE-Lite(トワイライト)の組み合わせで、インターネット接続は以前にブログで紹介したモバイルルーターを使っています。

格安データSIMとモバイルルーターでデータ通信
モバイルルーターと格安データSIMを組み合わせて、屋外でネットが使える環境を整備してみました。かかった初期費用は総額で8000円ほどでした。通信速度は低いですが、docomo の電波が届く場所ならどこでもネットが使えて、月々の料金も数百円ほ...

モノワイヤレス ZigBee無線マイコンモジュール TWE-Lite(トワイライト)

親機の無線モジュール TWE-Lite USBドングル MoNoSTICKです。TWE-Lite(トワイライト)のCPUは32ビットのRISCチップで、誰でも開発可能なオープンソースとなっています。電波はアンテナを使うと最長1kmまで届き、離れていても通信可能です。

マイコン温湿度計 子機

こちらが子機です。子機の無線モジュールはTWE-LITE DIP(トワイライト・ディップ)を使い、しいたけ栽培施設内部で温度と湿度を計測しています。

ディープスリープモード(Deep Sleep mode)を活用した省電力設計により、単三電池一本で長期間の運用が可能です。栽培施設内は湿度が高いので、シリコンで防水してます。

マイコン温湿度計 子機 しいたけ栽培施設内

しいたけ栽培施設内ではこんな感じで使ってます。栽培施設を拡大したら子機を増やして、室内の温度を一定に保てるようにモニタリングする予定です。

マイコン温湿度計の製作者 満福T氏

満福 T氏

おっと、最後にマイコン温湿度計の製作者を紹介しておきましょう。我が盟友、満福のT氏であります。優秀なプログラマーですが、ハードにも精通しており、このマイコン温湿度計はすべて彼の手によって開発されました。

こういったものを開発するためには、ソフトとハード両方の知識が必要です。「IoT」を実際の形にできる存在はとても貴重ですよ。

気になる方はこちらからコンタクトしてみてください。一見怪しい感じ(笑)ですが、ソフトウェアやスマホアプリの開発がメイン業務のマトモな会社です。

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